サターン 土星の心理占星学
サターン 土星の心理占星学
リズ グリーン
●土星を考察する道標として
土星を焦点としたネイタルチャートを持つ私は、題名に惹かれて手にとった。西洋占星学の本と
してはけして初心者向けの本とは思わないが、大学の講義の中でユング心理学について学ん
だ経験があった私には、過去に読んだ書籍の中では最も土星について新たな考察を得られた。
同時に、土星は恐れるべき凶星ではなく、人生における挑戦をしめすエキサイティングな存在
ではなかろうかと認識を新たにした。
●すぐには救われない
光と影は表裏一体、土星にこそ宝物が隠されているのだという内容なのだろうと思い手に
取った。苦しみの最中だったので気がはやり、とりあえず自分の該当箇所を先に読んだが、
漠然と感じていたことがそのまま言葉にされていて、涙が止まらなかった。
しかし前書きと後書き以外の考察部分には救いがなく、淡々と恐ろしいことがレポートされ
ているだけなので、涙が止まらないまま、死にたくなってしまった。自分が向かい合い、克
服しなければならない試練が具体的にわかるので、本当になんとかしたいと「前向き」に考
えている人は読んでみることをおすすめするが、やはり心してかかって頂きたいのと、自分
のところだけ読んで、そのまま死んでしまわないように、最初から最後まで通して読まなけ
ればなりません。
●心理占星学における一大金字塔!
心理占星学を学ばれようとする方が必ず読むと言われる、最高の古典です。単なる「占い」
であった西洋占星術に「心理学的視点」を加え、占星術に新しい息吹を吹き込んだ一冊です。
「Relating(リズ・グリーン) 日本語版 - 占星学 鏡リュウジ訳」と並んで「2大古典」と言えるで
しょう。
伝統的占星術で「凶星」と言われ続けていた「土星」に新しい解釈を試み、「試練・困難」など
厳しい影響の裏に隠された真の意味を探り、光を与えたのがこの本です。この「土星」をじっく
り見つめることこそ、「真の自己発見」にとって最も近道だとリズ・グリーン女史は言われてい
ます。
その旅は苦しく、困難に満ちたものでですが、そこにこそ素晴らしい「宝」、錬金術で言う「黄金
の輝き」が隠されているのです。
本の内容は「それぞれのハウス、星座における土星の影響と解釈」、「それぞれの惑星と土星
のアスペクトにおける影響と解釈」、「相性における土星の影響と解釈」の3部分で主に構成さ
れています。
どれを取っても深い洞察力と素晴らしいインスピレーションに満ちています。この「土星」につい
て詳しく知ることで「本当の意味での占星術」についての見方が深まるのではないでしょうか。
「占星学」、「サターン」を読み終えられて心理占星学についての洞察を深めた方は、リズ・グリ
ーン女史のその他の本(原書)をお読みになると、より一層、心理占星学の深い領域を見出さ
れると思います。
この本は「心理占星学」の入門書ではなく、ある程度の知識があることを前提にしている本な
ので、まずは他の入門書を読まれてからにした方が良いと思います。しかし、手元に置かれ
て絶対に損はしない一冊です。素晴らしい本だと思います。
●心理占星学の代表作
現段階での心理占星学の代表作のひとつ。
1980年代ごろから心理占星学という名のも
とに本が出始めました。心理占星学の本来の姿からは不十分なインタープリテーションになっ
ています。
占いの技法は消滅寸前の本来のアストロロジーからの逸脱や低次の無理な適用にすぎない
のが実情です。未来の心理占星学は、さまざまな局面をも体験しながら、本来の心理学およ
び占星学の立場から論じられることになるでしょう。
それまでの過渡的な作品になっています。
占星学がどうのこうのと言う前に人間の精神
という「未知」のものにたいする理解が必要です。本来のアストロロジーは人間の精神を問題
にしています。内容としてはとりあえず現時点で手元にある心理学にかかわるとされる素材を
つなげてみましたということのようです。
本書には「哲学」「思想」「理念」といった核となるものは見当たりません。本書はあくまでひと
つの通過点とすべきであって、人間そのものへの理解を深めること、そのものを探求すべきで
しょう。
